島根で生まれたおろし器「楽おろし」が重宝されるワケ。

大根おろしはすごい。お皿の隅にそっと添えるだけでただの焼き鮭がきちんとした料理に。油っぽいてんぷらはさっぱりと食べられるし、だし巻き卵の甘みをぐんと引き立ててくれます。だけど、大根おろしは、おろすのが大変。大根をしっかり握って、おろし器をぎゅっと押さえて、腕の力を思いっきり使って…。もっと楽におろせたらと思います。

「楽おろし」は、まさにそんな思いをかなえてくれるおろし器。大根をおろし器に当て軽い力でくるくる回すだけで、しっとりとした水分の少ない大根おろしができます。

ほかのおろし器とは何が違うのでしょうか。

軽くて丈夫な「石見焼き」

「楽おろし」は、島根県西部、日本海に面した江津(ごうつ)市にある元重製陶所で生まれました。元重製陶所は、国の伝統工芸品「石見焼き」の窯元。石見焼きは、陶器でありながら磁器並みに硬く、それでいて軽くて丈夫。普段使いの台所用品にうってつけの焼き物です。元重製陶所では、大正14年創業以来、水がめ、漬物用かめ、すり鉢、園芸鉢など生活に根差した道具を作ってきました。近年は、だれもが使いやすく丈夫なすり鉢とおろし器の専門メーカーとして石見焼きの伝統を守り続けています。

おろしやすさを追求

一般的なセラミックのおろし器は、「型押し」によって作られます。型押しの場合、歯が鋭いと型から抜く際に先端が折れてしまうため、ある程度刃の先を丸くする必要があります。元重製陶所が目指したのは、刃の先の鋭さ。それも手が切れるくらいの鋭さです。しかし、粘土からの成型では、どうやっても再現できません。5年の歳月をかけてたどり着いた答えは、かたまりのセラミックを砕いた破片を刃として陶器に埋め込むこと。

セラミックの塊を少しだけ砕いてはふるいにかけてちょうどいい大きさのものだけを選別。この作業を繰り返し、品質の高い「楽おろし」を作り上げます。

素材の味が活きる「楽で楽しい」おろし器

セラミックの鋭い刃が、素材を切り取りながら下ろすから、驚くほど軽い力でおろすことができます。さらに、水分を逃しにくく、素材そのものの味が楽しめます。底面にシリコンゴムが付いているから、おろしている間は手を軽く添えておくだけ。滑っていくことはありません。

「楽おろし」は3つのサイズ展開。大きなものは大根や長芋など大きな野菜をパワフルに下ろします。ニンニクやショウガなど薬味用の小さな野菜には中サイズや小サイズがぴったり。石見焼きの朴訥とした優しい風合いが、日本の食卓によくなじみます。